テニプリ立海連載―30)舞台が崩れ始まった頃
夢を見た
一人ぼっちで何かと戦ってる夢
下品な笑い声が聞こえて
何かがこっちに迫ってくる
...こないで...
床は凍りのように冷たく感じる
恐怖と冷たい感触が体を震わせる
助けって...誰か...助けって...
誰か...
誰かって...
ダレ?
ギュッ
ダレかの手が僕の手を握ってくれた
暖かくて、大きくて
安全感をくれる手
ギュッ
もう一つの手が僕の左手を握ってくれた
右側の手より暖かくないけど
こっちの手も大きい
そして違う安全感をくれる
右手から僕がずっと求めていたあったかさと安全感を感じれるけど
左手から感じるモノに魅かれちゃう
後ろに向くと
支えてくれる人たちが立っていた
よく聞いたら、笑い声が消えて、代わりに大切な人たちの小さいな泣き声
心配さと悲しさが混じってる二つの泣き声
何で泣いてるの?
僕、何かしたの??
ピピッピピッピピッ...
「ん...」
アラームの音
もう朝か...
変な夢だったな...
いつも眼鏡が置いているトコに手を伸ばす
眼鏡、ないんですけど...
えっと...
あ、そういえば
昨日熱が出て...
記憶あんまりないな...
眼鏡は確か...
仁王が...
「...先輩?」
「..........ん、なんじゃ?」
なぜ隣から声が...
左のほうに手を伸ばすと
生き物を触ってるみたいな感触......
「ドコ触っとるん?」
「先輩今ドコなの?」
「べっt...あぁ、そういえばお前さん見えんじゃったのぅ」
「先輩眼鏡」
「先輩、眼鏡じゃなか...先生トイレみたいな言い方じゃの」
先生はトイレじゃないぞってヤツか...
「もう朝ですよ先輩...眼鏡を返してくれないと朝練に間に合いませんよ」
「朝練か...そういえばお前さん、具合どうじゃ?」
「えっと、熱はもう...」
何かが僕の顔に近づき
おでこに柔らかいモノに触られてる気がする
「...もう下がったようじゃのぅ」
そのモノがおでこから離れた同時チュって音が聞こえた
「そう...みたいですね...
先輩、今なにをしたの...?」
「なんでもなか、はい眼鏡」
といって、眼鏡を掛けてくれた
みえる...
「つーか、まだいるんですね、先輩」
「ほぉ、やはり見えると冷たい性格に戻るのぅ」
「よく言われます、てゆーかさっきから思ったけど...なんで僕パジャマなわけ?」
「プリ」
「プリ、じゃないですよ、答えてください」
「下着の色は黒のイメージじゃったのに、パンツは白じゃったな」
「...
潰す」
「丸一日看病してやったのに、潰すとは酷いのぅ...」
あ、そうだった...看病してくれたんだっけ
ヤラシイけど、優しいトコもちゃんとあるんじゃない...
だけど...
「それはそれ、これはこれですよ
それに頼んでないし」
「着替えは隣のばーさんが手伝ってもらったぜよ、俺じゃなか」
「...そう、でしたか...
それでもう一ついいですか?何で僕のベットの上に?」
「夜は寒くなった」
「...で?」
「それだけ」
「キミね!!」
「おっと、もうこんな時間じゃ、早く着替えんしゃい」
会話を終わろうとして、部屋から出る仁王
「仁王先輩」
「ん?」
「看病...ありが、とう...ございまし、た...」
仁王から目を逸らす
「瑠姫
これから何があったら俺に頼れ」
パタン
僕が企んでいた舞台は...
あの言葉のせいで...
崩れ始めた...
かもしれない
ううん...
よく考えたら
僕が考えたシナリオを思う通りに進めなかったのは
銀さん
晋助先生
赤也
そしてその他の人のせいもあるかもしれない...
でも舞台を狂わせる役者はまだ全部
揃ってない......

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